2014年8月7日木曜日

Lapland Skyline Day3

今日は昨日ホステルで仲良くなった青年と一緒に朝食。このノールカップユースは食事が豪華だ。マリネやパンですっかりお腹いっぱいに食べる。

部屋の件も色々ととりはからってもらったし、なかなかにアタリのホステルな気がする。
出発の準備を整え、今日の旅の友に声をかけて出発。今日は一緒にアルタまで行くのだ。
朝のE69は本当に交通量が少ない。そもそも、昨日夜も道路の音は殆ど聞こえなかったし、この時期はオフシーズンなのかもしれない。彼といろんなことを話しながらクルマを進める。1人旅の良さは何にも代えがたいが、たまには誰かと一緒もいい。途中何度もクルマを止めながら進んでいく。
彼はミスチルが好きらしい。





 途中フィヨルドの海岸に立ち寄る。フィヨルド全体の水はその岩の地面を流れて最後に海岸にたどり着く。海への道の最後は海岸の小石の間からにじみだした短い川になって地上を走る。長さにしてわずかに数百メートルの旅ながら、ドラマチック。



途中道を間違えてハンメルフェストの手前まで行ってしまいそうだったが、途中で引き返し、アルタへ再び向かう。ハンメルフェストにも憧れがあったので、行ってみても楽しかったのだろうけど。






途中燃料が足りなくなって、警告灯を点けてしまうが、それでもなんとかしながらアルタに。給油を終えた後、彼に昼食を御馳走になる。いやあ悪いですね。その後は一緒にアルタの石絵を見にいく。とてもすごい。こんなに昔の人々が残した記録が今もこうして屋外にある石に残っているというのがなんとも衝撃的だった。









北極海ともここでお別れ。
彼を宿でおろして、1人で一路エノンテキオを目指す。今日はどこか太陽が夕暮れ時の表情をしている。

カウトケイノの街までは渓谷から丘陵まで非常に変化に飛んだいいドライビングロードだ。狭いし、流れも速いし、シフトチェンジも頻繁なのでなんども景色を撮るために足を止めながら,
息つく暇もないエキサイティングな道を走る。












岩の壁のノルウェーフィヨルドの谷。泥で出来たノルウェーの丘陵部。そして、石と森で作られたラップランド。そのどれも雄大で、本当に飽きない。






カウトケイノの町はとても小さく、川沿いにこぢんまりとした教会があるのが目立つ。心が癒やされる。









ラップランドはまだ8月の終わりなのにどこか秋の足音が聞こえるような、そんな淋しげな雰囲気にも満ちていた。クルマを止め、道を離れれば色鮮やかながら穏やかな景色が広がる。




夕日の中国境を越え、エノンテキオの街につく。ここは宿が多く、どちらかと言うとラップランド観光の基地となっているようだ。遊歩道や町に張り巡らされたトレイルのつくりをみて、ここがフィンランドなのだと実感する。
ノルウェーはとても美しいけど、やはり僕はフィンランドが好きなのだとよく分かる。

宿について、車を停めると、ここ毎日最低でも400kmずつ、今日一日で500km弱走ったとは思えないくらいにまだまだ走りたいと感じている自分がいた。
1Lマニュアル、リアウィンドウも開かない極めて簡素で健気な旅の相棒とこれほどまでに仲良くなれるとは思ってもいなかった。

宿に着き、部屋に入るとどうやら清掃が行われていなかったようだ。フロントに清掃を頼みに行ったら、すぐに対応してもらえた。サウナに入って体を温め、フロントで飲み物を買おうとしたらお代はいいと言われる。こちらこそもしわけない!ということで、フィンランドに敬意を評してヤッファを飲む。砂糖とライムのクラシカルな味わい。この垢抜けない感じがなんともいい。

Wi-Fiが通じるロビーでPCを開いていたら、団体さんと話すことに。この人達はなんと一週間で130kmの距離を歩くラップランドツアー「Lapland Classic」の参加者なんだとか。聞けば、毎年開かれているツアーらしく、世界中から多様な参加者が集まって、ひたすら歩くというものらしい。
それはすごい。結構年配の方ばかりに見えるのに。色々と話して仲良くなる。その団体のうちフランスから来たご夫妻は息子さんの奥さんが日本人なのだとのこと。すこし色あせた結婚式の時の写真をずっと大事に持ち歩いているようで、とてもあたたかい気分になった。
色々と話して親交を深めているうちに夜はふける。

2014年7月20日日曜日

今更ながらチョイモビ

今更ながら、横浜市と日産が共同でやっているモビリティ社会実験「チョイモビ」を使うことにしました。

以下雑感垂れ流し。



この実験はヨーロッパなどで始まっているEVカーシェアの流れを日本でもということで、横浜市と日産が共同で横浜市内限定のサービスを行っているというもの。
何が新しいかというと、登録さえすればEVを身近にだれでも使えるという点、そして日本では法律上認められていないレンタカー無人店舗での乗り捨てをできるような制度を実験としてに用意することで、2地点間の移動にカーシェアリングを利用できるようなシステムになっている点であろうか。
たしかに現状の日本でのカーシェアは、自宅や仕事場の近隣の駐車場から、自家用車のちょい乗り用途を代替することはできても、都市内全体で自動車を共有するということはできていない。そもそも、自動車を不特定多数のユーザーがフレキシブルに共有する社会を法律が想定できていなかったというだけで、法規や駐車場オペレーションさえ改善する事ができれば、現在大規模にサービスを展開しているカーシェアリング業者も同様のサービスができるのかもしれない。

今回の実験で使用している車両は、ルノーがヨーロッパですでに発売しているTwizyというEVのバッジエンジニアリング版の車両「NISSAN New Mobility CONCEPT」というもの。基本的にはルノーの製品を最低限日本で運用できるように改造しているものなので、ウインカーとワイパーのレバーはISO準拠の位置である。
ヨーロッパではサブAセグメント車として、いわば日本で言う「ミニカー」に近い法的位置づけのクルマではあるが、今回の実験では登録上は軽自動車(ただし、特例措置によって高速道路や自動車専用道の走行は認められていない)という位置づけになっており、そこもヨーロッパの規格に準拠した車両をそのまま日本に持ってきたことに対する苦悩を感じられる。

足回りは見た感じ前後ともストラットで、カウルからアームが張り出した様子はスポーツカーのような勇ましさ。


クレジットカードと免許証さえあればだれでも登録ができ、登録完了後の講習会を受講さえすればすぐさまチョイモビユーザーになれるという手軽なシステムになっている。
インターネットやスマートフォンアプリ経由で近隣の車両と、返却場所を選択し、その手続から30分以内にその車両にキーである会員カードをかざすと乗車ができるという仕組みになっている。

実際にカードが発給されたその日に、講習会を受けた日産本社から相鉄沿いまで試しに乗ってみようと考えた。まずアプリを使って近隣の空き車両を見つけることはすぐに出来たものの、残念ながらなかなか都合のいい返却場所が見当たらない。おそらく車両の台数より少し多い程度の駐車場しかチョイモビのステーションとして提供されていないのだろう。利用率が向上すれば状況は幾分か改善されるのかもしれないけれど、都市内をフレキシブルに移動するための手段にするにはまず車両の数よりもステーションのバッファー量を大幅に増やす必要があるのではないかと感じた。
また、今回のステーションが殆ど市街中心部に集中していることも若干の物足りなさを感じた。斜面住宅地や、鉄道空白地帯の多い横浜の住宅地の特性上、本来こういった簡易的なモビリティはそれらのエリアの足を補完する意味合いを持たせることでより存在意義が強まるようにも感じられる。その点、山手の丘の上や、三渓園にステーションを設けていることはそれらの意味合いを持ったユースに対してのデータを集める目的が大きいのかもしれない。



車両に乗って完全な主観から感じたものは、独特な面白さと、その一方での安全性への不安であろうか。
これまで乗ったことのあるEVやHVとは異なり、出足を意図的に遅くしてあるというのは非常に面白い。スタートはスロットルべた踏み程度で他の一般車の流れに乗るのにちょうどいい一方、30km/hからの加速はいかにもEVらしいトルクに満ちた真っ直ぐなものなので、スロットル開度を頻繁に変えながらの運転となる。窓のないオープンエアということもあり、モーターの音も普段聞き慣れた国産のHVやEVの音とは異なり、粗野で大きく感じられ、スロットルを頻繁に開け閉めすると聞こえてくる力行と回生の音の変化は、あたかもフォーミュラーE やルマンカーのオンボード映像のよう。スロットルと回生量のグラフが出るのもその気分を助長する。パワステのないことによるハンドルへのゴツゴツした感覚もまたよい。
足回りは硬く、ロールをほとんどしない。しかしながら、優秀なものかというと少し違うようにも感じられ、その硬さはサスペンションのストロークの不足から来るんじゃないかというような感じのもの。停車中にコツコツとフロアを軽く足で叩いただけで、小刻みに車体が反応するような程度のショックアブソーバーの性能。
横浜に多い速度の速い交差点や下り坂のような状況を一般車の流れに乗って走るだけで明確にアンダーステアが出るし、ABS、ESPやトラクションコントロールのような類もなく、そもそもMRに近い駆動方式なので、不慣れなドライバーが下り坂のカーブなど雨天などの悪条件下での操作を間違えればスピンをする可能性は十分にある気がする。
ボディが小さく、四隅は把握しやすいので、路地だろうが駐車だろうが、特に困ることはまずない。
シザードアは駐車の時などに上げっぱなしにして車体の周りを見るにも便利かもしれない。



安全性に関しては、さっきのダイナミックセーフティもさることながら、やはりほぼオープンな事もあって衝突安全性がまず不安になる。ちなみに、EURO NCAPのテスト映像は以下のとおり。健闘していると捉えるべきか、それとも。



料金に関しては、一分単位の時間制ということもあり、渋滞を避けたルート選択をしっかりできるユーザーならば相当お得に使えるのではないかと思う。二人乗ることもできると考えれば、20円/分の料金設定は、タクシーやバスに対しても競争力があるかも知れないとも。


今回実際に使って感じたことは、小型モビリティの可能性と物足りなさであり、今後の法改正などを受けて普通車のコンパクトカーや軽自動車のカーシェアが2地点間での移動を可能にされたときに、あえて今回のような小型モビリティを都市内カーシェアに使う意義が見出しにくいということでもある。それは、小型モビリティにメリットがないということでは決してなく、現状では危険の多い都市内の自動車交通の中にその小型モビリティを混ぜて走らせることのデメリットの方が大きくなってしまっているということのようにも感じられた。
安全補助技術の普及やドライバーのマナーとスキルの向上の果てには小型モビリティを使用したカーシェアが真価を発揮する時が来るかも知れないけれど、現状ではリーフなどの「乗用車」然とした車両をシステムの核にしたほうが結果としてユーザへの敷居を下げて、システムとしての浸透を図れるのではないかという考えも浮かんだ。

2014年7月17日木曜日

Lapland Skyline Day2

今日はついにノールカップ攻略の日。
この旅の最も大きな目的の一つはヨーロッパ最北端の地であるノールカップに行くことであった。小さい頃から幾度となく本で目にした彼の地の名前は、最果て好きの私の興味を掻き立ててやまなかった。

朝は九時前までゆっくりと睡眠を取り、朝ごはんをいただく。久しぶりにヘルシンキのユーロホステル以外の朝ごはんである。
お宿の人々は親切で、実に暖かく接してくれた。少しお礼を言って出かける。
クルマに乗り、ゆっくりと走っていたら道にトナカイが。昨日もよく見たけど、今日も早速。トナカイの写真を撮った後はノールカップに向けて92号線を走る。



二日目のドライブはシートポジションや北欧流の運転の仕方に慣れてきた事もあって、比較的楽に感じる。センターラインのない広い真っ直ぐな道を制限速度いっぱいで駆け抜ける。C1の乗り方も大分掴めてきた。簡素な足ながら堅く締めてあり、結構高速域でもしっかりとしているので、北欧のスピードにもなんとか対応しているようだ。岩で出来た丘を幾つも越えて、クルマは国境に向かう。クローネも持たず、フィンランドのSIMがローミングをしないように携帯も切り、道路標識を頼りに進む。



国境に到着。当たり前だけど、パスポートチェックなどもない。味気ないけどね。税関の事務所にノールカップへの道を聞いたら、カウンターで話し込んでいたトラッカーのおじちゃんや、職員のひとやらにいた全員に「あっち!」と言われたのがとてもおかしかった。
クルマをカラショクにすすめる。ここでもスーパーの人に少し道を聞いたりして、正しいルートに乗る。ノルウェーの人はみんな優しい。ノルウェーに入り、風景は激変した。



今までは針葉樹の森が広がっていたのに、ノルウェーの景色は氷河が作ったのであろうダイナミックな景色の中にこれまたたくましく木々が生息しているような感じなのである。遥か彼方まで続く道と、大きな山々。ダイナミックだ。
E6とE69の分岐まで来る。ここからは本当にノールカップ街道。



制限速度はノルウェー一般道の標準の90キロのまま。しかしながら道は大分荒れて、狭くなっている。それなりにスリリングかつ気持ちのいいドライビングコースだ。




ちょっと飛ばすと、C1の操縦特性がよく分かる。クイックで、アンダーステアも大きい。遅いけど、シフト、ブレーキとスロットルをコーナーの度にしっかり使って日常域でスポーツしている感覚は本当に楽しい。
途中なんども車を止めてはフィヨルドや海の写真を撮る。途中虹が何度か見えた。その都度律儀に止まっては写真を取ろうとしていたのだけれど、ある一回はホニングスヴォーグに向かうおばさんと一緒に停車した。タバコを吸うおばさんと少しだけ会話を交わし、また二台とも走りだす。ノルウェーの人の運転ペースは速い。ゆっくり走る僕は置いていかれてしまった。



そうこうしているうちにすぐにマーゲロイ島へのトンネルに。話に聞いていた料金所もなく、そのまま通過。どうやら償却が終了し、無料化されたとのこと。さすが北欧、きっちりしている。
それにしても、このトンネル、相当深い。7キロの全長のうち、3キロずつぐらいは急な坂道になっていた。北の硬い岩盤の海底をくりぬいたすごい土木技術にただただ感動する。
マーゲロイトンネルを抜けてしばらく走るとホニングスヴォーグへの分岐と、その直前にあるユースホステル。もうとうとうここまで来たのだ。そのままノールカップへと足を向ける。強風と、霧雨の中ひたすら走る。



途中数分の通行止めに遭遇。何かと思えば映画の撮影らしい。山の向こうから爆音が聞こえる。解除されて進んでみると、ブリフェンの86と、オレンジのM3ほか、アメ車数台が。なんの映画だろう。もしかしたらワイスピ系かもしれない。(当時はこの程度の認識でしたが、どうやらこれはノルウェー版ワイスピのような「Børning」という映画の撮影だったようです。この間ニュースサイトにこの映画の記事が上がっていたらしく、それを発見したときはとてもびっくりしました。)



大絶景の中を進む。時折景色の中に見えるノールカップのドームが興奮を掻き立てる。





そんなこんなでを止めては進みを繰り返し、ついにノールカップに到着をする。
料金所のお姉さんと少し話し、学割で入れてもらえることに。HSSの学生証が通じてうれしい。




ついに着いてしまった。これより北にはもうヨーロッパはないと考えると本当に感慨深い。





ポーランドからきたというスズキとKTM乗りの夫妻に出会い、少し話す。シャンパンを開けていたのがとても楽しそうだった。それにしてもバイクだけどいいのだろうか?

写真を取り、しばらくぼーっとモニュメントの近くにいると、何組かの写真を撮ることになった。
ノールカップの郵便局は専用のスタンプを押してくれるらしく、それを目当てに幾つか手紙を書くためにレストランに入る。
レストランの店員のお兄さんは観光客に関するアンケートを大学から依頼されているらしく、久しぶりのサンプルである日本人に喜んでいたようだ。3から4日に一度しか日本人は来ないのだとか。それは確かに少ない。なんだか嬉しいような、少し淋しいような。
手紙を投函した後は、地下の資料館を散策。地上からでは全くわからないけど、この施設はめちゃめちゃ立派だ。地下に大きなシアターや教会、ディナースペースまである。
少し待って映画を見る。ノールカップの一年を描いた作品。やはり映像で見てもノールカップの景色は綺麗だ。しかし、それよりももっと素晴らしい景色を今日走りながら見ているのだと考えるとなかなか感慨深い。
映画を見終え、岬にもう一度立って別れを告げた後はクルマでホニングスヴォーグの街に戻る。途中、先ほどの撮影隊とすれ違ったりとなにかと面白い。



ギアをフルに使って少しハイペースで走るとこの道が素晴らしいドライビングロードだということがよく分かる。すぐに宿についてしまったのが惜しいくらいだ。

宿に着き、チェックイン。部屋が空いているらしく、厚意で一人部屋にしてもらう。ノルウェーの人はフィンランドの人にも増して、親切だ。どちらかと言うと直接的な感じで。

荷物をおいた後ちょっとだけホニングスヴォーグの街を見に出かけた。





世界最北の都市と言われるその町は、なんだか、どこか日本の三陸の港町のようにも感じられるようなスケール感で、とてもこじんまりとしている。しかしながら、スーパーもあれば銀行もあり、飛行場までもが近くにある。もちろんノールカップ観光の玄関口の一つとしての側面はあるだろうからの充実した都市インフラなんだろうけど、そのインフラがこうした小さな町の活力に与えている影響はきっととても大きなものなんだろうと思ってしまう。

宿に戻って荷物をおいて一段落した後。コモンスペースに行くと、日本から来たという青年が。
よく考えて見れば数日間まったく日本人と会わなかったなと思い、先ほどのアンケートを渡された際の店員さんの言葉の意味を実感する。
彼は名古屋のある大学の医学生らしく、翌日アルタまで行こうと考えているがバスの便がよくなく、困っているとの事だった。幸い自分もアルタに行きたかったので、少しだけ一緒に旅をすることにした。

2014年7月12日土曜日

Lapland Skyline Day1

昨年夏に一月弱フィンランドに滞在をした。
その滞在の最後にヘルシンキを離れ、ラップランドを一人クルマで旅した。
小さな旅ながら、その記憶を忘れないように書き留めておく。


朝からサウナに入る。ここまではいつものルーティンではあるが、今日はこのホステルに滞在する最終日。サウナを出た後荷物をまとめる。この時ばかりはバタバタしていて感慨に耽る余裕もない。
朝食にルームメイトと向かい、いつもと変わらないメニューのビュッフェを食べる。そして、部屋に戻り荷物の最終チェックを済ませ、出発をする。別れ際、彼と少し話して部屋を出る。
本当に3週間ありがとう。君とルームメイトでとても幸せだった。

ホステルを出ると、同じコースの友人のルームメイトの子と一緒になる。鍵を事務局に返しに行くらしい。少し会話を交わす。最後は握手とハイタッチ。みんな素敵な人たちだ。
感傷に浸りながら、空港行きのバスに乗り込む。



空港に着き、荷物を預ける。重さはぴったり22.5kg。運がいい。
スムーズに離陸をした後のフライトはあっという間。A319のフライトは晴れていたこともあって安定そのもの。
ドアを出ればそこはラップランド。真夏にもかかわらず、ロバニエミは少し肌寒い。



ラップランドを主張する賑やかなバゲッジクレームから荷物を受け取り、レンタカーのブースに向かうと、どうやらプロパーな予約をする前に仮押さえしていたRentalcars.comの予約がキャンセルされていないためにダブルブッキングになっているとのこと。参った。しかし、帰国後になっても課金はされていない。よくわからない。
とりあえずRentalcarsに確認のメールを送って出発。

クルマはヨーロッパでPSAとトヨタが共同開発したAセグメント三兄弟のうちのシトロエンC1。このクルマが登場した時から、その割り切りに割り切ったミニマムなパッケージングと見た目にすごく惹かれていたこともあり、念願の邂逅と言える。
トラフィックの少ないフィンランドでは、久しぶりのマニュアルと左ハンドルに慣れるのはそこまで時間はかからなかったけれども、Google Mapをナビに使用していたこともあり、最初は少し道に迷った。
しかし、慣れてくれば道が実にシンプルということもあり、途中からは順調にすすむ。陽が傾きかけた車窓の景色は本当に美しい。





C1も非力ながら、一人乗りには十分な動力性能があるので健気に走るし、なにより気ままで車旅はやはり良いものではある。
途中ソダンキュラでスーパーに寄り、食料を調達。
Ivaro、Inariと順調に足を進める。途中時々止まって写真を撮ったりもしたが、あまりにも美しい景色が多すぎて、一向に進めずなかなかに悩ましい。

宿に夜8時頃に到着。この日の宿はNeljän Tuulen TupaというInariの町から外れた小さな宿。こぢんまりとしたいい宿だ。どこかコルピクラーニが出てきそうなウッディな趣もある。自由に使っていいという自転車を借りてちょっと近くを見て回り、部屋に戻って日誌を一気に書く。ヘルシンキ滞在最後の数日、寝ている時間以外は本当に片時のヒマもなく動き続けていたので、意外なほどに日誌がたまってしまっていた。少し前の記憶だけど、やはりしっかりと思い出しておくことは絶対に重要だ。シャワーに入って寝よう。





2014年3月5日水曜日

DAC-X3Jが来た。

ふとRSSリーダーをみたらNFJのブログが新しいDACを出すという記事をアップしていた。
ちょうどその日の夜にヤフオクでの二次販売があるとのことなので、プアオーディオファンとしては黙っていられず、早速注文。

翌々日には到着したので、非常に早い対応。

早速繋いで見て音をチェック。
まずはUSB直繋ぎで。あたりまえだけど、今まで常用していたUCA202より大分情報量は増えた印象。特に低音の締りが効いていて、ドラムやベースのアタック感が大分良くなった。

その次はUCA202からX3JにTOSLINKで繋いで。
USBで繋ぐよりも大分きめ細やかな音になった印象。この値段ならきっと十分満足できるものなはず。

ついでにヘッドホンアンプにヘッドホン(K242HD)を繋いでその出来もチェック。割と出力のあるヘッドホンアンプでないと気持ちよく鳴ってくれないきらいがあったので、どんなものかと思っていたら予想していたよりも気持ちよく鳴ってくれた。

多くの人が懸念を示していたフロントからのRCAケーブルの取り回しは、意外にも悪くはない。
オーディオラックの上において、他の機材と「ツライチ」にしたいとは別に思わないけど、なまじ私のように目立つ色のラインケーブルを使っていると、非常にごちゃごちゃした表情になるのは仕方ないが。

今のところ繋がっぱなしにして異音が出たり、動作が不安定なこともないので、製品としては安定しているのだと思う。UCA202の前に使っていたオーディオインターフェースは音は良かったのに、動作が不安定で仕方がなかったので、きちんと動いてくれるということはほんとうにありがたいことなのだと感じる。

まだ、ゆっくりいろいろな音源を聴きこんだりはできていないので、時間をかけて特性を掴んでいけたらと思う。

2014年2月1日土曜日

CX-5で小旅行

先日マツダの1日試乗キャンペーンという実にクルマ好きにはありがたいものを利用し、ちょっと友人とともにドライブへ。
本当は走り慣れた秩父路や道志などを走りたかっのだけれども、前日に降雪があったこともあり、雪の心配のないワインディングを求めてアクアライン経由で房総に遊びに行った。



まずエンジンを掛けて感じるのは綺麗に抑えられたディーゼルっぽさ。アイドリング中もディーゼルディーゼルしていないのがいい。もちろん音の傾向はディーゼルだけれども、振動やノイズは「少ない」。

そして走りだす。
一昨々年の夏にヨーロッパでパルトネールのディーゼルで一週間走りまくった以来のディーゼル。あの時はマニュアルだったので、はじめてオートマのディーゼルに乗ることになる。
パルトネールは本当にプレーンなディーゼルだったので、1.6lの割にものすごく下のトルクが強いという印象があったけれども、CX-5はちょい踏み程度ではトルクが溢れまくるようなこともなく、ガソリン車に慣れたドライバーの意図になるべく沿ってくれるようなセッティングになっているのが印象的だ。しかし、少し踏み増しするととても頼もしいトルクが。車重のことも忘れて純粋にいい気持ち。さすがマツダ、味付け能力には国内他社の追随を許さない。

平日午前の都内を下道で川崎まで向かう。普段囲まれ感の強いキャビンのGHインプに乗っている事もあって、目線の高く開放感のあるキャビンは新鮮。しかし、アクセラやデミオでマツダの乗用車の感覚に慣れている人にはそれほど違和感がなく運転できる視界の取れ方にも感じた。良くも悪くもSUV感は目線の高さ以外はそんなにない。
目線が高いというだけで少しエラくなったような気がしてしまうので、マナーがあんまりよくないSUVが多い理由もうなずける笑。

車幅がそれなりにあるのでバスやトラックをパスするときには車体が大きく感じる。都内はやはり1750ぐらいがジャストサイズな気がする。


アクアラインに乗って房総へ。
高速のインターチェンジでタイミングを見計らいマニュアルモードで加速。エンジンをぶん回してもトルクは上がらない。ディーゼルなので当たり前である。普段ショートストロークのクルマに乗っているので、高回転域の回した分だけアドレナリンがドバドバ来る感じがないのはやはり寂しい。ディーゼルだからね。うん。

高速巡航は安定の一言。まっすぐきちんと走るし、レーンチェンジもかっちり決まる。いいシャシーだ。乗り心地も日本の道路水準ではなんの不満もない。きっと日本の高速では不足な場面はない。


アクアラインを降りて田舎のワインディングへ。
トルクがモリモリ出るので上りも苦しげもなく走る。ロールもダイブも少ないので、重心の高さはあまり気にならない。シャシーががっちりとしているので、普通に走っている分にはまず気むずかしい動きはしない。

しかし、下りは車重の重さと重心の高さ、エンジンブレーキ違和感によって少しだけ怖い。ブレーキはしっかり効くので不安はないのだけど、軽い車になれているとついつい踏みが足りなくなる。重心が高いので、コーナーでアクセルを開けて脱出しようとしてもイマイチ思った方には走って行かず、結局ステアリングでそれなりに補ってあげる必要がある。これはエンジンの重いSUVのCX-5ならしかたのないことだ。普段下りではマニュアルモードで走ることも多く、今回も癖でエンジンブレーキを多用して下ろうとしてしまったが、回転が増しても音が大きくなるばかりでエンジンブレーキ自体はさほど強くならない。ディーゼルなので当たり前である。そこの感覚に慣れないとディーゼルは怖いと感じてしまうのかもしれない。総じて言うならこのクルマは慣れるまでマニュアルモードは使うべきではないかもしれない。僕はまだディーゼルのトルクやエンジンブレーキをコンピュータより上手に操れない。
あとは、車体の大きさ。ブラインドカーブの先に急な狭窄区間が現れるようなワインディングを走っていると、とっさの幅寄せとかの時に車体の大きさを感じる。慣れれば問題ないのだろうけど、やはり少し大きい。

上総亀山の湖水亭 嵯峨和さんでご飯を食べて、温泉に入る。お食事料金に温泉も含まれているのでお得感がすごい。
料理と温泉を満喫した後は太平洋を見て帰る。

帰りは都内を首都高で。名物の長い長いジョイント金具でも車体が全く乱れない。FFのくせに電子制御が素晴らしく、ここは賞賛に値する。

昼前から遅い夕方にかけていろいろな景色を見ながら過ごしたいい1日だった。


燃費は16km/l前後。悪くない。都内のストップアンドゴーと、ワインディングと、アクアラインの巡航を合わせてこれなので、それなりにいいといえる。うちのインプだと同じコースで走ると13km/lぐらいかな。
ちなみに、帰りに都心のスタンドで給油をしたら軽油なのに何故か155円/lも取られたのでお得感は大分減衰しました。都心のスタンドはあんまりトラックとかが来ないからなのかね。

1日乗って疲労は少なめ。アクセラで感じたシートの違和感もなく、個人的にはすごく身体にばっちりときたシートだったといえる。ただ、ハイトアジャスターしかついていないシートはペダルと足の距離を合わせづらく、そこはちょっとつらい。結構いい値段するクルマなんだし、10wayパワーシートぐらいつけてもいい。テレスコがついているからステアリングは適正位置がすぐに出る。

総じて言うなら極めてよく出来たクルマでした。SUVの気持ちよさと、乗用車の手軽さを併せ持った上で、パワーや燃費というディーゼルのアドバンテージを最大限活かしているという意味で、本当に意欲作。
荷室もデカイし、居住性もいい。シャシーもしっかりしているので常に安心感もある。
ただ、重心の高さや車重の重さはどうしても気になるとえ言えば気になる。これまで重心が低くてピタッと曲がるクルマに乗っている人には少し不満が残るような感じかもしれない。

2013年12月31日火曜日

2013

例年になくギリギリの23時50分からの執筆スタート。

今年は年始から卒論で幕を開け、少ししてからいきなりの院生生活のスタートを迎えました。
プロジェクトや、課題で今までになくいろいろなところを飛び回ったそんな一年だったと思います。
そして、やはりいちばん個人的に大きかったのは夏のヘルシンキでの経験でした。少しだけ専門を持った状態で、世界中から来た近い分野の人間とともに時間を過ごした経験はこれまでにない刺激的なものでした。なにより足と沢山の時間を使って一つの都市と向き合う経験ができたことは何よりもの財産です。

いろいろなところを飛び回ったということは、これまで知らなかった色々な世界を知ることができた機会にも恵まれたことでもあり、それまで考えても見なかったことが今では頭の中にずっと居続けたり、そんな色々な萌芽を産んでくれたそんな一年だったようにも思えます。

今年も様々な事で色々な人にお世話になりながら歩んできたそんな一年でした。息つくヒマもなく来年へと歩みを進めていきますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

2013年11月30日土曜日

GHとGJ。2台のインプ。

家の車が車検のため、GJ(いわゆる四代目セダン)インプレッサを代車として借りた。
クルマで動く用事が多い1日だったため、自宅近辺→学校→本郷というよくあるコースの120kmほどの行程を走った。
渋滞、ゆっくり巡航の第三京浜、周りのクルマに合わせて走る首都高、狭い路地などの自分が普段クルマに乗る上で最も身近な環境のコースだけに乗り慣れたGHインプとの違いがよくわかって非常に面白かった。

GJは一言で言うと、誰にでも勧めることのできるクルマである。ステアリングはGHとくらべてもより重めで、ハンドリング自体も十分に高剛性なボディとしっかりしたサスペンションまわり、AWDとボクサーの寄与のお陰で割りと流れの速い夜の首都高でも全く不安を感じさせずに走る。どちらかと言うと、ゴルフとかのドイツ車に近いハンドリングかも。少なくともGHインプや現行レガシィよりもずっとしっとりしている。ただ、GHのノンターボが、堅いボディをのびのびとしたサスペンションで支え、ロールやダイブを大きめにとりながらもとても掴みやすい荷重感覚と乗り心地を実現していたのとは対照的に、GJインプはあんまりロールをさせず、段差や路面のうねりも割りと直接的にドライバーに伝えてくるのには少し違和感を感じた。シートが結構弾力に富んでいたこともあって、荒れた路面では少し身体が跳ねるような感じ。サスペンションをもう少ししっとりさせるか、シートをより安定するようなクッション設定にしたほうがいいようにも感じられた。

Aピラーが寝た弊害で視界も悪くなっているかとおもいきや全然そんなことはない。たしかに、GHのような視野と前後の窓枠が綺麗に一致しているような人車一体感はないけれども、他のメーカーのクルマに比べたらそれはもう十分に視界が良い。

乗って一番感じるGHとGJの相違点は動力系のフィーリングだろうか。GJはCVTのせいもあってAT以上にダイレクト感は薄いが(GHのATは2速以上のロックアップ範囲がそれなりに広いからなのかもしれない)、GJはほんのちょっと踏むだけで回転数が全然上がっていないはずなのに非常に強いトルクで押されるような感触を受ける。もちろんスロットルの設定が違うというのはあるのだろうけど、タコメーターで読む限りではGHとはぜんぜん違うトルクの吐き出し方をしているので、やはりFBとEJは全く違うエンジンなのだということがよく分かる。下からトルクが出ているというのはショートストローク・低回転トルクスカスカのEJに乗り慣れていると違和感を感じるが、他のエンジン型式を持つクルマのように扱い易いというのは確かだと思う。
ただ、高回転までぶん回した時の気持ちの良さではFBエンジンはEJエンジンにはかなわないと今回あらためて感じた。EJで高回転まで回した時に聴覚と触覚に入ってくるイケナイコトをしている感じとはうってかわって、FBの高回転の感じは、回しても多少気持ちのいい直列エンジンとそんなに変わらない。もちろん日常域なら振動も少なくてとてもいいエンジンなんだけど。
燃費はいい。とくにGHの苦手な渋滞の街中でもGH+1から2km/lは出ているのではないかと思える。CVTが優秀だというのはあると思う。

GJの運転席は現行のスバル車らしいエッジのたったもの。GHインプやBPレガシィのような包まれ感の強いものではないけれども、意外としっくり来る。すこし大きなクルマを運転しているような感じを受けるけれども。水温計がないのにはがっかりしたけれども、冷静に考えればいらない。インフォメーションディスプレイには燃費計や、航続距離計、4輪へのトラクション図などが表示できて非常に面白い。マツダのi-DMに通じる良さがある。ただ、あっちは運転にエンターテイメント性を付加することに重きが置かれているが、こちらは走ることに対してすこし真面目な様子。

ラゲッジや後席の快適性は十分か。あれだけトランクが広いならセダンも実は悪くないのかもしれない。
ただ、運転席のパワーシートリフターを2lのベースモデルの標準装備から外したのはどうかと思うところもある。手動のリフターではどうしても腿の位置が調整できず、理想的なドライビングポジションをとることが難しくなった。


今回乗って現行のインプレッサはさまざまなパーツや要素を先代から引き継ぎながらも、感動的なまでに欠点を潰してきたクルマだと感じられた。価格・性能いろいろな面から見て誰にでも勧められる。
一方でそれまでのインプレッサが持っていたクセも急激に薄れてしまい、そこがすこし淋しくも感じられる。ただ私がGHに乗り慣れた後に二代目のGD/GCインプレッサに乗った時にはまた全然コンセプトの異なるクルマに感じられた(狭いし、硬いし、驚くほど機敏だし)わけだし、GH自体もまた以前のインプレッサを壊した先に立っている車なのだということも忘れてはいけないのかもしれない。結果的には進化するごとに違うキャラクター性を纏い、以前のモデルが陳腐化しない。そう考えると各代に固定ファンが出来るのもうなずける車種なのだろう。

2013年11月1日金曜日

ツーリングワゴン

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20131031-OYT1T00214.htm レガシィ「ツーリングワゴン」2014年で廃止


レオーネ時代から始まり、ワゴンブームとともに日本のステーションワゴンの歴史を牽引し続けたレガシイもついにツーリングワゴン廃止へ。
ステーションワゴンは今でもヨーロッパではジャーマンプレミアム三社が各クラスにラインナップしていたり、パサートやモンデオのようないかにもヨーロッパらしいDセグ車から、シュコダやセアトのような低価格Cセグ車まで百花繚乱のジャンル。ヨーロッパでは日本なんかよりもはるかに多くのステーションワゴンが走り回っている。

今回のセダンとアウトバックへのシフトもレガシイが現行型からヨーロッパよりアメリカと中国を主眼においたモデルになっている事もきっと関係しているに違いない。
サイズ的に日本や欧州で扱いやすいインプレッサが先代と現行で車格を上げて、洗練された乗用車になったのもこれと一連の流れではあるのだろう。

後継に当たるレヴォーグはティザーを見る限りはステーションワゴンとハッチバックの中間に当たるボディタイプのモデルのようだ。最近ではボルボがV40で似たようなコンセプトを打ち出しているし、ホンダのアコードも短い荷室にシフトしている。そういう意味ではこのようなコンセプトがこれからの流行りになっていく可能性もあるのかもしれない。
最終カルディナやアヴァンシアは登場当時としては実に地味で中途半端にも思えたけれども、こうしてみると意外にも時代を先取りしたクルマたちだったのかもしれないとは思う。

個人的にはとても好きなクルマのジャンルだけあって、日本でこのジャンルが衰退することは非常に悲しくも思える。安心して走れて、たくさん荷物も乗せられて、それでいて野暮な感じの薄いステーションワゴン文化はもっと親しまれてもいいはず。

2013年9月16日月曜日

Helsinki Festivalについて。とKEBU。

今回ヘルシンキに滞在していた三週間程度の間には多くのイベントが開かれていた。その中でも特に都市に密着していて、なおかつ長い期間開かれていたイベントがHelsinki Festivalであろう。

http://www.helsinginjuhlaviikot.fi/en/

8月の半ばから9月頭までの半月の間に音楽や現代アートを中心にしたプログラムが毎日ひっきりなしに(しかも多くの場合無料で)開催されるというまさに夢のようなイベントである。いわば完全に都市内に入り込んでいるロックフェスと芸術祭の複合なのである。
多くの場合、複合施設やバー、カフェなどでの展示やライブが多いのでそこら辺のステークホルダーたちがどんなふうに活動してこのフェスを成り立たせているのかはまだ調べていないのでよくわからない(携帯会社や新聞社、金融系の会社が主力スポンサーに名を連ねているのはあまり意外性はないが)。ただ、ビール会社が協賛に入っていて、会場となっている各カフェに公式商品として自社のビールを納入しているのはとてもおもしろかった。


今回はペーパーの提出も近かったのであんまりたくさん夜に出歩くことはできなかったのだけれども、オープニングイベントと、Kebuというアナログシンセミュージシャンのライブには行くことができた。

オープニングイベントはヘルシンキのシンボルの一つでもある港の地域を中心に行われたホーンパフォーマンス。観光船から砕氷船まで、ヘルシンキに関わる多くの船が港に集まり、各船のホーンを鳴らして音楽を奏でるという非常にかっこいいもの。その間はスオメンリンナへのフェリーもお休みして、港全体が巨大な楽器になるのだ。とても気合が入っている。海辺のサウナに遊びに行った後だったので、寒かった記憶が強く残っているけれども、パフォーマンス自体の風景も太陽が傾いた夕方の港の記憶としてとても心に残っている。

オープニングイベント以外に行ったライブがビンテージのアナログシンセとシーケンサ、アナログMTRのみで録音・ライブをしているKEBUというフィンランドのミュージシャンのもの。
比較的緩い感じの南国エスニック料理を扱っているお店でのフリーライブということもあり、敷居も低いので行ってみることにした。会場にはそれなり幅広い人々がいるものの、中心は若い男性。やっぱりこういうジャンルの音楽のリスナー層はそこら辺に固まるのは世界共通か。
Youtubeなどで見ていた印象とは異なり、彼が観客を煽ったりする場面もあるなど結構ホットな感じのライブであった。シーケンサに組まれた音の中を彼が飛び道具的にかっこいいリフを弾きながら踊る。そんな感じの自由でエキサイティングなステージ。初めて生で聞くオデッセイの音は非常に素晴らしい。気がついたら体が揺れていた。途中踊りだしていたお姉さま方に「踊りたそうだし、一緒におどりましょう!」的な感じで言われてしまったが、こちらはKebuのプレイがもっと見たいので丁重に辞退。非リアスキルの高さを遺憾なく発揮した。逆に言うと、ヘルシンキの人々は結構この手の音楽でもおとなしく聴いているのはなにか非常に興味深いものがあった。




ライブが終わり、CDの即売とサインタイムが始まる。いつか欲しいと思っていたのでCDを買って、サインを貰いに行く。とても気さくで穏やかな人で、なんだか、こうミュージシャンというよりも職人や研究者みたいな感じの物腰。写真も撮ってもらい、ニヤニヤしながら深夜の街を歩いて部屋に戻った。
帰ってCDをじっくり見て気づいたのだけれども、ジャケットに楽曲ごとの使用機材の一覧が載っているではないか。この手の気遣いは本当にワクワクしてしまう。

デジタルシンセを使わず、録音もアナログでというスタンスは我が敬愛するBOSTONのトムにも通じる物がある。やはり、こういうスタンスを取る表現者の人々はすべからく何かサウンドの面でも自分の感性に刺さるものがあるのかもしれないとぼんやりと思った。



To Jupiter And Back