この日は喜洲へ向かう。
朝クルーズ付きのツアーをユースのカウンターで勧められるが自由にぶらぶらあるくことができないので自力で向かうことに。
出発前に腹ごしらえ。福建料理の汚いお店でしたが、味はしっかり。賭けには勝った!
時折洱海からの灌漑水路とクロスしながら走る。見える畑の作物があまり良い感じの生育でなかったのが気になる。バスの車掌をやっている白族風のおばさんに入場料を安く買ってもらい、喜州の観光施設の中へ。いきなり付きっきりのガイドさんにハンドオフされて、そのままいそいそとショーへ。ショーはクオリティこそアットホームだけど、民族衣装に民族歌唱もありの盛り沢山な雰囲気。
やったら美声なんですよこれが。
その腹に文字通り茶を噴きそうになること数回。
その実、お茶の販売ショーではあるんだけどね。
そして、ショーが終わればそのままお茶屋さんへ。中国では実にお決まりな流れである。お茶屋さんではプーアル茶やローズヒップ、药茶など幾つかのお茶を試し飲む。まあ値段もそこそこなのでちょっとだけおみやげを買って帰る。ここで、お茶屋さんに同行者が「特に韓国人っぽい」と言われる。
お茶屋さんを出るともうガイドさんは居ない。さすがである。合理的。
観光施設の中をめぐると藍染や大理石や乾物屋さんなどの地元の伝統的な商品を扱うお店が多い。そうか、ここはそういうための場所だったのか。でもなんだか緩い。冷やかしもそこそこに観光施設を出る。
せっかくなので喜州の中をぶらつくことにしようということに。特にあてもなく、街を歩く。ちょうど中学校の休み時間の終わりと重なっていたこともあって、中学生がどっと自転車で街を走り抜けていく。こうしてみるとどこもある意味ではそんなに変わらないなあ。
シクロのような、ロードのような感じのドロハンバイクが男子生徒には人気な模様。
街のお店のラインナップは文具屋さんやスポーツ用品といった学校の近くらしいお店や、家電屋、携帯屋、太陽熱温水器点、油屋、街の鉄工所といった具合に様々。面白い。こうして見ると、結構中国には手に職を持って生きている職人が多いのかもしれない。日本の高度経済成長期とかもそうだったのかなとすこし思いを馳せる。
道が悪い。
パソコンが普及して、すっかり都市部では見なくなった网吧(ネカフェ)もここでは健在。ネトゲにハマっているような若者が中にたくさんいた。
その後も町をぶらぶら。いろいろなものを見ながら昔の名家の屋敷に着く。とても贅沢な雰囲気とは裏腹の結構コンパクトなスケール感。当時から塀が張り巡らされた喜洲の町ならではのスケール感なのかもしれない。
洒落た中庭。
不思議な開口と、面白い二階の回廊構成を持つお屋敷。梁や天井にも細工がなされていたり、この他にも西洋風の建物があったりと、なかなかに贅を尽くした館なのであった。
喜州の四方街。その名前がついている通り、旧市街の中心部の広場。今回の雲南旅行ではまだ都市の旧市街がしっかりと残された都市をたくさんめぐることができた。中国の古い都市の設計思想の根本にある四方街の考え方は個人的にはとても好きなものの一つ。
軸線がスパッと抜けるようなシステマティックに作られている都市では体験できない、迷いながら徐々にその都市の地理を身体に溶け込ませていく感覚をそんな都市では得ることができる気がする。そして、迷いながら四方街に出た時に頭のなかの地図と都市の地図の整合作業が一つ完了し、その次の地図のすり合わせの旅がまた四方街から始まる。そんな気がするのである。
壁に藍染をかければそこは即売場に。
そうこうしながらバスのりばへ戻る。同行者はお腹がすいたというので懲りずに粑粑(小麦をパンケーキみたいに焼いたもの。)に挑戦。
ピーナッツで失敗をした前回の教訓を元に今度はしょっぱい系で。ネギとお肉の乗ったふっくらしたのを持って帰ってきた。
味も美味しいらしく満足だった模様。
こんな感じのバスでした。
バスは喜洲へ戻る。とりあえず歩いてホステルへ。
夕食までは少し時間があるので色々と歩きまわって見ることに。城壁にのぼったりしながら時間を潰す。近くの温度計を見るとなんと10度台全然そんな寒く感じていなかったのに。。。
大きな裾野の蒼山に張り付くように広がる大理旧市街の街なみ。城壁内一番古い市街地の外はそれなりに普通の建築物が立ち並ぶ。区画の作り方とかは城壁内のルールを結構踏襲しているようにも思える。
城壁の上では塔をスケッチする青年が。雲を頂く蒼山と、大きく横たわる洱海。確かにここは描きたくなるような町、大理である。
ご飯を食べにユースの近くの通りまで戻る。イスラム系(多分ウイグルとか)の人がやっている料理屋さんに入って炒飯と炒め物を食べる。とても美味しかった。
宿に帰ってビールを開け、プリペイド枠に余っている通話をするべく少しだけ日本と話したりしながら夜はふける。
おまけ
レンガを利用したなんともいい加減な輪止め。1枚の斜面上の大理の旧市街地ならではの後継かもしれない。ちなみに、このすぐそばでは家の増築工事が行われていて、大量のレンガがその現場に積み上げられていた。どう考えてもそこから失敬してきていることは明白。
多くの人が犬を飼っていた麗江とは対照的に、ここでは猫も結構飼われている印象。
子猫のかわいさはどこでも変わらずすごいものがあるのですね。