東京から広島の西条まで、出来る限り自走で走ってきました。
一日目は自宅から三島まで。
朝6時半過ぎに自宅を出発し、とにかくペースを掴むために自分の経済速度で走る。
8時半過ぎに横浜で軽く牛丼で朝食をとった後も、ペースを作る事に集中して走る。
ひたすら国道一号。案外トラフィックも多くなく、走りやすい。
途中でCCの箱根組と遭遇。同じ日に走りに行くとは聞いてはいたけどまさか本当に遭遇するとは。
小田原のガストまで一緒に走行し、昼食を食べる。さすがにこの暑さの中この装備で箱根を越えることは好ましくないのでここで一団と分かれ、クルマで走り慣れた熱海経由にすることに。
海岸の涼しい風を感じつつ真鶴を越え、熱海へ。
自転車による箱根越えの一番楽なルートであると自負している熱函道路コースへ入る。しかしそこは腐っても箱根。一日走ってきた後の長い急坂は結構大変であった。クルマってすごい。
峠を越えればこちらのもの。あとはひたすら緩やかな坂道を下る。いつもの丹那も自転車で走ると違うものだ。
函南から三島へ抜け、そこでその日の宿をとる。初のカプセルホテル。いまいち。
二日目は三島から豊橋まで。
事前から一番の長距離日と決めていたので夜明けと共に三島を出る。
日が低いうちにどんどん距離を稼ぐ。
自転車通行可能な区間はバイパスを活用し、出来うる限りスピードを落とさず巡航する。
海沿いの国道は本当に風光明媚で素晴らしい。
午前中のかなり早い段階で60kmを突破するも、豊橋まではこれをもう二回繰り返すのかという事を考え、その日の無謀さを改めて感じる。
大井川を越え、牧之原を登り、ひたすら距離のことばっかりを考えて走る。
途中時折現れる海や、茶畑や、その中を走る蒸気機関車や、そういった風景を見るたびに日本の風景の魅力にやられる。
強い日差しの中途中なんどもコンビニで休憩をしつつ、掛川のあたりまで向かい、昼を摂る。
ここからはひたすら内陸の道を浜松へ。一番暑い時間帯だけに一番体に来る。
4時前に浜松。
浜名湖はいいものだ。
5時台も終わりが見えた頃に愛知県に入る。静岡県は本当に長かった。
豊橋のスーパー銭湯でゆっくりした後に、ネカフェに入ってすぐ寝る。本当に便利な施設だ。
三日目は豊橋から伊勢を経て津まで。
朝方グダグダしていたら案外いい時間になってしまい、船に間に合うために少しだけハイペースで渥美半島を走る。
渥美半島は本当に景色の良い場所だった。自転車道も整備されていたし、また機会をとってゆっくり走りたいと本当に思える場所だった。
フェリーに滑り込み愛知に別れを告げ、鳥羽へ乗り込む。
到着した鳥羽港の近くの鳥羽駅でヒッチハイクをしているドイツ人二人組にであう。「Nara」と書いた紙を持っていたがさすがに遠すぎるのでどうしたものかと話し合っていたら、ちょうどそこに伊勢までなら彼らを乗せていっていただけるという人が現れる。ちょっとだけ言葉のお手伝いをして、彼らと別れる。日本でヒッチハイクは難しいかもしれないが、優しい人はいるものだ。
そして、その日の本題お伊勢参り。
まずは課題でもやった外宮へ。
そして、内宮へ。
お伊勢様の話はまた今度。
氷赤福で休んだ後、津に向けて走りだす。津でも前日と同じようにスーパー銭湯からのネカフェ。安いがよくできた流れ。夕食は文字通り学食みたいな食堂で摂り、コインランドリーで洗濯を済ませて寝る。
四日目は津から鈴鹿を越えて京都まで。
午前中は程良く雲がでてくれたおかげで楽に進むことができた。途中関の宿場町に寄り道したりしながらも早い段階で鈴鹿越えに入る。
箱根に比べればゆるいものだが、じわじわと長い距離を登る。
滋賀に入り、京都に入り五条大橋に昼過ぎにたどり着く。地味に山越えの一日であった。
ぐっさんに連絡を入れて家まで向かう。一度行った場所であればすぐに行くことが出来るのが京都の道のすごいところ。素人の僕でもメジャーな通りの名前の組み合わせさえもらえれば大体の場所へはすぐに向かえるのだ。
久しぶりにぐっさんと話ができてよかった。そして、その夜はあさこさんといなつぐ君と飲む。マスケンのいない京都でこの三人が会って飲むというのはなかなか不思議なものだ。
五日目は京都から神戸まで。
今回はあんまり時間もないし、駆け足も嫌だったので、今まで見ていないメジャーどころに絞ることにした。午前中に銀閣と南禅寺をゆっくり回り出発。お寺の話もまた今度。
関西は暑い。昼過ぎに大阪に着いた頃には何リッター消費していたかわからない。
一号の終りである梅田新道に着いたときには不思議な感動が胸に起こる。
実際豊橋から鈴鹿の間は走れていないが、それでもこの道をかなりの間走ってきたわけで。
伊丹へ向かう飛行機が思った以上に市街地の上空を通り抜けていくのだななどと考えながら神戸へ向かいペダルを漕ぐ。
夕方に三宮に着き、食事を済ませ、風呂に入ろうとしたときにぐっさんから電話が。なんと今からわざわざ会いに来てくれるとのこと。彼の優しさに感動した。
そんなこんなをしているうちにフェリーは出る。
トレーラーが大量に積まれるのかと思いきやガラガラのジャンボフェリー。ちょっと心配。
たった4時間の大切な睡眠時間だから散策はそこそこにうどん食って寝る。
六日目は高松から伊予三島まで。
接岸が迫り、朝は5時前だというのにジャンボフェリーの歌?で起こされる。
大音量で寝起きの頭にループさせられると本当に洗脳効果があるな。また、次回の四国行きのときも必ずジャンボフェリーさんを使わせていただきます。はい。
久しぶりの高松だ。
この日は瀬戸内国際芸術祭をちょっとだけ見に。
穏やかな瀬戸内の海はいい。
島と自転車というのは相性がよいものですね。女木島の話もまた今度。
高松に戻って、走りだした直後に道端に人力車で旅をしているという人を発見。
思わず話しかけてしまう。昔京都で人力車をしたりしていたらしく、Veloの話とかも絡めて色々と話しをさせていただいた。
その日はうどんばっかりを食べつつ四国中央市の伊予三島まで走る。
七日目は伊予三島からしまなみ海道の途中の大島まで。
この日もからっと晴れた。クルマでいっぱいの国道を避けて海沿いを行こうとするも、向こうもトラフィックは多く、それでいてアップダウンが激しいという展開に。まあ、絶景の連続ではあったのだけれどもね。
そして、念願のしまなみへ。
スロープも緩やかで登りやすく、とても走りやすいという印象を受けた。走りに来て本当によかった。
昼過ぎに宿に到着し、ちょっと昼寝をした後に軽く海へ入ってくる。自分以外にはあまり人のいない綺麗な瀬戸内の海。秋の空のような高い空の下で冷たい海に浮ぶのは最高であった。
八日目は大島から尾道を経て西条まで。
前日の宿で一緒だった東京から来た自転車乗りの人と共に尾道へ。
しまなみの素晴らしさに圧倒されながらあっという間に尾道に着いてしまったような気がする。また、走りたい。本当にそう思える道だった。
尾道は想像以上に尾道であった。東京物語のあの世界が今でもまだそこにある感じというか。ただスタイルがレトロなのではない、そこに息づく尾道独特の何かが異常なまでの旅愁を生むとも言うべきか。少なくとも、それは生きている何かであって死んでは決していない何かが。
夕方に尾道を出て、一人西条へ向かう。途中の山越えに苦しみながらも、なんとかヒラマチの家までたどり着くことができた。
彼と軽く飲みながら夜を過ごす。
翌日西条から電車で帰る。普通列車でも丸一日かける距離を来たのだとこの時になって初めて実感する。総走行距離1007.7km。間違いなくこれまでの一つのライドでは最高の距離である。
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